田上先生のつぶやき(アルバイト編)

統括学院長 田上先生のつぶやき(アルバイト編)

アルバイトの店員

私は毎朝、新小岩駅近くのコンビニ「S」で買い物をします。たぶんほとんど毎日同じ時間、朝5時20分頃に新聞だったり、雑誌だったり、アイスクリームだったり、弁当やカップ麺だったり(嫁がいないので、朝食・昼食は自分で買う必要があるんです…)を買います。

さて、そこでの小さな出来事をどうしても生徒・保護者の皆さまにお話ししたくてブログに掲載することにしました。

6ヶ月ぐらい前(いや、ひょっとしたらもっと前だったかもしれない)から彼をよく見かけるようになりました。意識するようになった理由は簡単で、挨拶が明るく元気、並んでいる人を待たせない、精算の時に(初めてだろうと思われる人に対しても)いつも一声かけてくるからです。

ただここまでだったらどこにでもいる“ちょっとやる気のある”アルバイトと変わらないかもしれません。

彼の普通のアルバイトと違った一面を見たのは、アルバイト同士のちょっとしたやり取りを見た時からでした。

「あのな、たばこを吸うのはいいけど、お客さんの前に出る時は、一度匂いを消してからにしろよ」

<いくら先輩とはいえ、アルバイトがアルバイトにこんなことを言うでしょうか>

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その後しばらくたったある日、その彼から話しかけられました。

「突然すみません。わたし今月でここをやめることになりました。今までありがとうございました。」

「えっ! クビにでもなったの?」

「いえ、府中の方で葬儀屋に勤めることになったんです。」

「正社員で?」

「はい。」

「よかったね。君ならどんな会社でも可愛がってもらえる社員になれるよ。」

「なぜですか?」

「今まで、君の挨拶や立ち居振る舞い、話し方を見ていたらね。」と以前のたばこの指導の件などを話しました。

そしてアルバイト終了の日の朝、買い物をしていると急に近寄ってきて彼は、

「今日最後の日になりました。ほんとうに」(と悲しそうに言ってきたので)

「明日から大変だけど頑張れよ」と言うと、

「ぜひ写真を一緒に撮ってください」

びっくりした私は、

「わたしはアイドルじゃないし写真は…」

「いえ、絶対どこかの社長さんですよね。困ったとき相談に行っていいですか。」

「いいけど私は社長なんかじゃないよ。」

「いや、初めてお会いした時から雰囲気で、そう思いました。」

「実は、高校の校長なんだよ。」

「あーっ、よかった。もっと相談しに行きたくなりました。」

と言うやり取りがあって、名刺を渡し、一緒に写真を撮って別れました。

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聖進学院ではアルバイトを許可しています。いやむしろ積極的に勧めています。

理由は二つあります。

一つは、社会で自立するための能力の中で最も大切だと思う『時間を守る』『挨拶ができる』を家庭や学校以外の場所でも学んでほしいからです。

家庭や学校は許す場所です。やり直すことができる場所です。だから、今、時間が守れなくても、挨拶がきちんとできなくても教室や家に入ることはできます。しかし、実社会ではどうでしょうか?

遅刻をしたり、早退したり、目上の人やお客さんに挨拶ができない人が会社を続けることはできるでしょうか? きっとできません。

二つ目は、さまざまな理由で高校の学費を払うことが大変な生徒にアルバイトを紹介し、自分で学費を支払って卒業できるようにするためです。実際自分のアルバイト代だけで3年間の学費を払い、卒業していった生徒が過去に何人もいます。

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今、聖進学院東京校の生徒の約3分の1はアルバイトを頑張っています。居酒屋、コンビニ、ファミレス、引越し屋などさまざまです。

またこれから始めたいと思って履歴書の書き方や電話、面談の練習を毎日している生徒たちもいます。

アルバイトだってボランティアだって通常の授業だって、どこかで誰かが必ず見てくれています。それを忘れずに与えられたものを一所懸命手を抜かずに。

今年も一人、昨年に続いてコンビニのアルバイトからそのまま正社員になる生徒がいます。

たぶん辞めたいと思ったことも何度もあるでしょう。みんなが塾に行ったり、カラオケに行ったり、クラブ活動などやりたいことをやっている間に自分だけが……

その頑張りがどこかで大きな実を結ぶことを先生は信じています。ぜひこれからも一期一会のつもりで頑張ってください。(もしそうだったら、授業中ついうとうとしていても許してあげるよ)

長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。では、ではまた次回お会いしましょう。

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