もう一つの卒業式

半年遅れの卒業証書授与式

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聖進学院は、入学した生徒全員を高校卒業まで導くことを強く思い、30年近くやってきました。実際に現在まで5300名の卒業生を送り出してきました。

高校を卒業するのが当たり前と言われる現在でも年間5万人近くの高校生が何らかの理由で学校をやめています。

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今日は、その聖進学院でも何度も何度もあきらめかけては話し合い、励ましながら卒業させた一人の生徒の卒業式を報告します。

これは今どこかで高校卒業をあきらめている人と聖進学院全生徒に贈るものです。

“彼(田岩君:仮名)は3年前、同級生とは半年遅れの10月に入学してきました。理由は高校受験せずに就職したからです。就職後、資格などを取るためには高校の卒業証書が必要だと気付き、聖進学院に通う友人の紹介で入学してきました(聖進学院には、4月入学だけではなく、10月に入学し、3年間で卒業できる制度があります)。”

白川郷

“学校にはほぼ毎日登校し、行事にもすべて参加し(写真は昨年九月の修学旅行)ていましたが、どうしても学費が心配なため、アルバイトをしながらの卒業でした。”

そこで、今年の3月には渡せなかった卒業証書の授与式を行うことになりました。もちろん本来卒業証書の授与は学校で行うものですが、仕事を始めていた彼はなかなか学校に来ることができず、東京葛飾の新小岩駅の改札前で急きょ行いました。

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私は時間を守らない人が嫌い(学校でもそのことは特に注意し、指導していますが)です。仕事のせいなのか10分、20分、30分過ぎても彼は現れません。少し怒りを感じ帰ろうとしたところ、貯金してやっと買った車で、仕事着のままの彼が現れました。走ってきた彼の姿を見て、叱ることを忘れていました。

時間がない中で、邪魔になることはわかりつつ、新小岩駅改札前で大きな声で卒業証書を読み上げ、渡しました。彼も自分の名前を確認しながら大事に大事に握りしめていました。

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いつもは東京日本橋の大きな公会堂の中で手渡していた卒業証書がいつもより何か重く感じられました。

「本当に卒業おめでとう、これからお前の人生の始まりだからな、頑張れよ!」(涙で言葉にできず、ずっと心で言っていました)

聖進学院には様々な生徒が入学してきます。その一人一人を注意深く観察し、必ず卒業させ、社会で生きていく力を付けてあげるように、また今日から頑張ります。

「田岩君、今度は同窓会で待ってます」

田上

聖進学院 統括学院長 田上光徳

(当日、混雑する駅頭でご迷惑をおかけした皆様、また拍手をいただいた皆様、申し訳ありませんでした)

 

 

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